高硬度、耐摩耗性、低摩擦係数、耐衝撃性を兼ね備えたダイヤモンドコンパックスとは
ダイヤの小さな粒を高温・高圧で焼き固めた多結晶ダイヤモンドのことです。
1955年に人工ダイヤモンドを開発したゼネラルエレクトリック社がコンパックスという商品名で発売しました。
コンパックスとは、合成ダイヤモンドの微粉を集積し焼結した素材です。
セラミックスよりも硬く、耐摩耗性も高いため、精密加工の難易度は格段に高くなりますが、
従来の鉄製品よりも寿命が大きく延びることになります。
超硬合金 セラミックスと
ダイヤモンドコンパックスを
比べてみると
超硬合金
強み 形状などの自由度は高く、汎用性が高い
弱み 比重が重く、軽さを求める場合は不向き
セラミックス
強み 耐摩耗性、耐食性、耐熱性が比較的高い
弱み 金属との接合が難しく形状により製作できないことがある
ダイヤモンドコンパックス
強み 最も高い硬度 高度な耐摩耗性
弱み 加工の難易度が高く、高価格
セラミックスに比べても抜群の硬度、耐摩耗性を誇るダイヤモンドコンパックスですが、素材の大きさがφ60mm程しかないため用途は限られ加工も難しく値段も高くなります。その難しい加工を高精度で仕上げる事で、寿命が大幅に長くなりコスパが格段に上がります。
ダイヤモンドコンパックス
を使った製品を紹介!
ダイヤコンパックス付内径測定子
製品の用途
精密内径穴の測定に使用します。
非接触測定のためワーク重要部に傷がつかないメリットがあります。
ダイヤを用いているために殆ど摩耗しませんので長期に亘り安定した測定が行えます。
加工時のポイント
焼き入れ鋼に必要部のみダイヤを付けて、鋼部とダイヤ部で段差が出ないように精密研磨する事が難しく、技術が必要な部分となります。
ダイヤコンパックス付センター
製品の用途
精密円筒研削に使用します。
小ロットの加工にも滑り性が優れておりますので向きますが、特に耐摩耗性に優れているために量産の加工に効果が大きいです。
ワーク接触部のダイヤ部真円度を計測値データ付で保証しておりますので小ロット~量産まで安心して高精度加工を行っていただけます。
加工時のポイント
先端ダイヤ部、テーパー部を精密研磨仕上げしております。
テーパー部(基準面)と先端部の振れ・同軸、先端部の真円度など真円度測定機での計測データを添付させていただくので安心してご使用いただけます。
再研磨や先端部の交換修理などアフターフォローもさせていただいておりますので長期に亘り安心してご使用いただけます。
ダイヤコンパックス付V受け
製品の用途
加工時、測定時に製品を置いて使用します。とにかく硬いので減らない事と精密研磨仕上げをしておりますので平行度がミクロン代で決まります。
加工時のポイント
摩耗部のダイヤを精密研磨仕上げしておりますが当然鋼部も同じように精密研磨仕上げしておりますので置いただけで高精度にご使用いただけます。
加工寸法・形状はお客様のご使用状況によりカスタマイズ対応も可能です。
ダイヤコンパックス付当て金
製品の用途
ダイヤ部で製品を安定した寸法で押しつける部品の先端に使用します。
量産で製品寸法公差が厳しい加工を維持するためには耐久性と押しつける面の平面度が必要です。
そこでダイヤコンパックスを使用し、安定した寸法・平面を出しています。
加工時のポイント
鋼面からの寸法公差をミクロン代、平面度をミクロン代と高精度に平面研磨しています。形状や寸法公差などお客様のご使用状況によりカスタマイズ対応も可能です。
ダイヤコンパックス付V受け
製品の用途
2個のV受けを規定の隙間を空けてセットし、V部に精密ピンを置く測定台として使用します。
加工時のポイント
この製品の場合は2個のV受けの隙間を100±0.03㎜空けて精密ピンを置いてもピンのズレが3ミクロン以下になるのがポイントです。
高精度に鋼部、ダイヤ部を研磨仕上げする事が重要です。
形状や寸法公差などお客様のご使用状況によりカスタマイズ対応も可能です。
ダイヤコンパックス付段付きブレード
製品の用途
芯無研削盤で停止研削時に使用します。
加工時のポイント
ダイヤコンパックスを使用しているので滑り性がよく、ワークが傷つく事無く加工することができます。各段の段差公差は1ミクロンのために高精度な多段ピンの量産加工も可能です。
耐摩耗性が高いので一度段取り替えをすれば長期にご使用いただけます。焼入鋼の研磨でも1ミクロンの高精度加工は難しいのですが、さらに難易度の高いダイヤで高精度を実現しているところが売りです。
通し・止まりどちらのブレードにも対応しております。
修理・再研磨の対応も行っておりますし、形状や寸法公差などお客様のご使用状況によりカスタマイズ対応も可能です。
ダイヤモンド
コンパックスに
かける想い
代表 三田村宏宣
「剛性 靭性 耐高温 耐久力 高品質」を求めていく中でダイヤモンドコンパックスと出会った
創業当時は初代が開発したハイス(高速度工具鋼)を使用した刃物(バイト)を中心に特殊切削工具を製作していました。
その後、超硬(超硬合金)メーカーとの取引が始まり超硬を使用した製品を製作するようになり、さらにその後、ダイヤモンド工具メーカーとの取引が始まったことをきっかけとし、ダイヤモンドコンパックス(ダイヤモンド焼結体)を使用した製品を製作するようになりました。
創業時から理想の工具製作『硬い(剛性)』『粘い(靱性)』『耐熱(耐高温)』『長寿命(耐久力)』『精度(高品質)』を求めていく中で、必然的にダイヤモンドコンパックスと出会い使用するようになったといえます。
特殊切削工具の製造から加工技術が同系統である治工具、ゲージ類へと製品分野を拡大していったのも同時期です。
ハイスや超硬に比べ、硬く削りにくいため格段に難易度が上がるダイヤモンドコンパックス
ダイヤモンド焼結体(PCD)(多結晶ダイヤモンド)はきわめて強度に優れ、硬いため、加工が難しく、この素材を使用して高精度に製作することは、他の素材よりも格段に難しくなります。
お客様の図面や要望に合わせた製品を製作するには種類やサイズ(焼結体サイズには限界があります)を選定して他の金属(母材)と接合させなければなりません。
弊社での接合は『ロー付け』か『ノリ付け』ですが、剥がれてしまわないように製品の用途に合った方法をとらなければいけません。
接合後の研磨加工時にはダイヤの割れ(チッピング・クラック等)に注意しながらミクロン(1/1000㎜)単位の高精度に仕上げる必要があります。
また、ハイスや超硬に比べ、硬く削りにくいため加工も倍以上の時間を要するなど格段に難易度が上がります。
弊社ではダイヤ素材の種類の選定や加工するダイヤモンド砥石の選定などにも長年の経験を活かし、安定して高精度に製作できるよう日々心掛けています。
ダイヤモンドコンパックス加工でお客様のニッチなご要望にお応えしていきたい
長年、硬く加工が難しい素材で高精度加工を続けてきたため、社内の研磨加工技術が比較的高い水準で維持できています。
また、耐久性の高い長寿命な製品を作る事で環境にも優しく、お客様にも『交換頻度が減少した』と高評価をいただいています。
最近では『今まで製作依頼していた工場が対応できなくなった』『どこで作ったものか不明だが修理してほしい』『図面はないけど同じ物を作ってほしい』といったお問い合わせも増えてきています。
元々ダイヤ加工を多品種・小ロットで特注対応しているメーカーは少なく、ニッチな部分でもあります。
弊社は今後もダイヤモンドコンパックスによる精密加工技術を維持発展させることで、お客様のニッチなご要望にお応えしていきたいと考えています。
ダイヤモンドコンパックス製品を納入いただいている取引先様の声を紹介
ダイヤモンドコンパックス製品を当社に発注いただける理由についてお聞かせください。
お客様より貴社指定が入った案件もありましたが、見積から納入まで真摯に対応していただけますので引合を受領した際はご連絡させて頂いております。
安定した品質、出来栄えの良さ、信頼できる納期。
実際に研磨をされているので、細かな打合せが可能。
品質も良く、経験も豊富だと思いますので依頼させて頂いております。
コストメリット(他社と比較) 納期も頑張ってくれるところ。
当社に発注したことで、得られたメリットについてお聞かせください。
見積時から正型式にて丁寧な対応であり、お客様からのクレーム等は一度もありません。
製品知識がない我々商社に対しても、わからない事があった際、丁寧に説明していただけますので有難いです。
タイトな納期にもご対応頂き、受注を得られた。
特殊治具を製作して頂き、重宝している。
一部分がダイヤモンドコンパックスの部品で、全加工と一部加工のお見積りを頂き選択肢を広げて検討できました。
また、部品の新規製作だけでなく、摩耗部の修正等も柔軟に対応して頂き助かっています。
弊社の競合との相見積で受注が増えました。
御社と知り合うまではダイヤモンドコンパックスに対応できるメーカーがありませんでした。
ご注文いただく際、「三田工機なら大丈夫」と感じた点をお聞かせください。
丁寧な仕事、出来栄えの良さ。
問題が発生した際は、必ず連絡があり、最善策を一緒に検討してもらえる。
注文書記載の希望納期に合わせて納入していただけるので助かっています。
実際に製作頂いた部品の品質が良かったです。
弊社検査でも精度OKとの事でしたので、安心して依頼しています。
また、お見積り時の条件も分かりやすく記載頂く点も良いと感じています。
納期も想定していたよりも早く入れてくれた。
ここは改善してほしい、等デメリットに感じた点があればお聞かせください。
品質が間違いないのは確かであるが、若干価格が高い。
物によるが、単品不可の場合がある。(仕方ないと理解はしている)
引き続き納期対応、コストもこういったご時世ではありますがご協力いただけたら幸いです。
超硬合金等、多くの材種に対応可能!製品紹介
スパイク付特殊ワーク押さえ
スパイク付チャック用ツメ
超硬付チャック用ツメ
チャック用ツメ
着座穴付Vブロック
回転治具
回転治具
特殊ホルダー
特殊ホルダー
各種特殊切削工具
超硬刀ニッパー
製作依頼機械部品
ダイヤモンドコンパックス精密加工の三田工機3つの特長
精密加工を得意とし、多品種・小ロットのご依頼もお受けしています。
創業時より大手精密部品製造メーカー様とお取引をさせていただいており、メーカー様の精密部品製造に必要な工具類を納品させていただいておりました。
高品質、安定納入による実績を評価いただき、バイト類(刃物)のお取引、治具・測定具・ゲージ類と製品の幅を広げて参りました。
各種鋼材、超硬、ダイヤモンドコンパックス等、多くの材種に対応しております。材質・品種を問わず1個から加工させていただきます。
機械設備の充実を図り、切削加工から研削加工まで社内で一貫生産しています。
次世代複合加工機・CNC旋盤・マシニング・操作NCフライス盤といったNC切削機械、精密平面研削盤・CNC光学式精密倣研削盤・精密円筒研削盤などの研削機械。さらには汎用旋盤やダイヤモンド研削盤などまで充実した機械設備を取り揃えています。
このような多種の機械を保有する事で下加工から仕上げ加工まで社内で一貫生産しております。特急対応もご相談ください。
三田工機の刻印のある製品は万が一の際も修理、交換等の保証をしています。
一貫生産後に社内の計測機器で精度を確認し、検査成績表のデータでしっかりと製品の精度保証をしています。
また、三田工機の刻印のある製品は万が一の際も修理、交換等の保証をしておりますので安心です。
品質の安定した製品を1個から購入できアフターサービスまで受けられるのが弊社の特長です。工具再研削、センター再研削も可能ですのでお気軽にご相談ください。
会社概要
社名 | 三田工機株式会社 |
---|---|
本社(工場) | 〒213-0015 神奈川県川崎市高津区梶ヶ谷5-7-3 |
本社・工場 | 敷地 396㎡ 建物 鉄骨 330㎡(一部2階) |
TEL | 044-877-0229 |
FAX | 044-877-8731 |
代表取締役社長 | 三田村 宏宣 |
資本金 | 1,200万円 |
営業品目 |
● 特殊切削工具 バイト・総型バイト・ドリル・エンドミル・リーマ・特殊ホルダー (ハイス・超硬・CBN・ダイヤモンドコンパックス) ● 精密治工具 センター・ブレード・測定子・各種ゲージ・各種ツメ (各種鋼材・超硬・ダイヤモンドコンパックス) |
沿革
昭和37年7月 | 特殊工具の個人販売を行っていた三田村工業所を法人組織に改組し、三田工機株式会社となる |
---|---|
昭和42年3月 | 取引先の要請により、川崎市高津区へ工場を新設しハイス、超硬の特殊工具の製造を開始する |
昭和53年3月 | 川崎市企業診断にて優良企業として表彰される |
昭和57年10月 | 神奈川県より中小企業優良工場として表彰される |
平成19年12月 | 本社工場 ISO 9001:2000 認証取得 以後 認証更新 |
平成25年8月 | 本社工場 ISO 14001:2004 認証取得 以後 認証更新 |
令和3年9月 | 令和3年度川崎市生産性向上・働き方改革モデル創出事業に採択される |
令和4年10月 | 雑誌「工場管理」2022年10月臨時増刊号 モノづくりデジタル化〝 事例 〟大全に掲載される |
令和4年11月 | 令和4年度「かわさきマイスター」に代表の三田村が認定される |
三田工機方針
経営理念 「終わりなきものづくりへの挑戦」
- 丁寧なものづくりを通じて新しい価値を創造し、高い品質の製品をお客様に提供します。
- お客様の課題解決を考え行動し、一歩先をいく企業で在り続けます。
- 高品質・耐久性の高い製品を製作・提供することにより省エネで環境に配慮します。
- 互いを尊重し多様性を活かした少数精鋭の組織で、ものづくりを楽しみます。
三田工機株式会社
〒213-0015 神奈川県川崎市高津区梶ヶ谷5-7-3
TEL:044-877-0229
FAX:044-877-8731
【アクセス】
東急田園都市線 梶ヶ谷駅より
東急バス「梶01系統 鷺沼行き」に乗車し、「西福寺前」で下車 徒歩5分